VMware vSphere 6.0 の仮想ボリューム (VVol) の理解
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VMware vSphere 6.0 の仮想ボリューム (VVol) の理解

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Article ID: 340174

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VMware vCenter Server VMware vSphere ESXi

Issue/Introduction

この記事には、vSphere 6.0 の仮想ボリューム (VVol) に対する VMware のアプローチの概要が記載されています。

Symptoms:

免責事項: これは英文の記事 「Understanding Virtual Volumes (VVols) in VMware vSphere 6.0 (2113013)」の日本語訳です。記事はベストエフォートで翻訳を進めているため、ローカライズ化コンテンツは最新情報ではない可能性があります。最新情報は英語版の記事で参照してください。


Environment

VMware vSphere ESXi 6.0
VMware vCenter Server 6.0.x

Resolution

サマリー

仮想ボリューム (VVol) は、SAN/NAS アレイを仮想化する新しい統合および管理フレームワークで、仮想化環境に最適化された、インフラストラクチャの代わりにアプリケーションで一元管理する、さらに効率的な運用モデルを可能にします。仮想ボリュームは、ポリシー駆動型の自動化を通して運用を簡素化します。それにより必要に応じて、仮想マシン用の俊敏なストレージの消費、およびリアル タイムでの動的な調整が可能になります。ハードウェア リソースのきめ細やかな制御、および仮想マシンの精度とともにインスタンス化できるネイティブ アレイベース データ サービスを提供することにより、個々のアプリケーションへのストレージ サービス レベルの配信は、簡素化されます。

仮想ボリューム (VVol) で、VMware は新しいパラダイムを提供します。LUN ではなくて個々の仮想マシンとそのディスクが、ストレージ システムのストレージ管理の単位になります。仮想ボリュームは、仮想ディスクおよびその他の仮想マシン ファイルをカプセル化し、ストレージ システムにファイルをネイティブで格納します。

概要

仮想ボリューム (VVol) は、ストレージ アレイによってエクスポートされる VMDK 詳細ストレージ エンティティです。仮想ボリュームは、小さい一連のプロトコル エンドポイント (PE) を通して ESXi ホストにエクスポートされます。プロトコル エンドポイントは、物理ストレージ ファブリックの一部で、仮想マシンからそれらに対応する仮想ボリュームへのデータ パスをオンデマンドで確立します。ストレージ システムにより、仮想ボリュームでデータ サービスが有効になります。これらのデータ サービスの結果が、より新しい仮想ボリュームです。仮想ボリューム システムのデータ サービス、構成、および管理は、データ パスに関して、排他的にアウトオブバンドで行われます。管理を目的として、仮想ボリュームは、ストレージ コンテナ (SC) と呼ばれる論理エンティティにグループ化することができます。ストレージ コンテナの存在は、アウトオブバンド管理チャネルに制限されます。

仮想ボリューム (VVol) およびストレージ コンテナ (SC) は、仮想ストレージ ファブリックを形成します。プロトコル エンドポイント (PE) は、物理ストレージ ファブリックの一部です。

vSphere APIs for Storage Awareness (VASA) と呼ばれる特別な一連の API を使用することにより、ストレージ システムは、仮想ボリュームおよび関連する仮想マシンとの関連付けを認識するようになります。VASA を通して、vSphere と基になるストレージ システムは双方向でアウトバウンド通信を確立し、データ サービスを実行し、特定の仮想マシン操作をストレージ システムにオフロードします。たとえば、スナップショットやクローン作成などの操作はオフロードできます。

仮想ボリューム ストレージ システムとのインバンド通信の場合、vSphere は引き続き標準の SCSI および NFS プロトコルを使用します。その結果、iSCSI、Fibre Channel、Fibre Channel over Ethernet (FCoE)、および NFS を含むどのタイプのストレージでも仮想ボリュームがサポートされます。
    • 仮想ボリュームは、仮想マシンの仮想ディスクを、ストレージ ハードウェアによって全体的に管理される、128 ビット GUID で特定される抽象的なオブジェクトとして表したものです。
    • モデルは、データストア内の領域の管理から、ストレージ アレイによって処理される抽象的なストレージ オブジェクトの管理に変わります。
    • 仮想ディスクのコンテンツ、レイアウト、および管理は、ストレージ ハードウェアで完全に制御されます。
ストレージ パートナーは、すでに各社のアレイで VVol のサポートを追加し始めています。エンドツーエンドの VVol サポートの場合、HBA ドライバは VVol ベースのデバイスをサポートする必要があります。これにより、API の可用性でセカンド レベルの LUN ID (SLLID) を取得し、SCSI ドライバによって使用されることが必要になります。

VVol への I/O をサポートするドライバは、アダプタ登録時に、ドライバでセカンドレベル アドレス機能をアドバタイズする必要があります。さらに、HBA ドライバは、セカンドレベル (SLLID) アドレス機能を ESXi ストレージ スタックにアドバタイズする必要があります。詳細については、「VMware ESXi 6.0 I/O driver information:certified 5.5 I/O drivers are compatible with vSphere 6.0 (2111492)」を参照してください。これは、ESXi ホスト ストレージ スタックが、アダプタが VVol I/O を処理できるかどうかを特定できるようにするために必要です。

VMware Compatibility Guide』の「I/O Devices」セクションを確認すると、セカンダリ LUNID と呼ばれる新しいエントリが表示されます。(VVol を有効にします。)ESXCLI インフラストラクチャは、コマンド esxcli storage core adapter list で、HBA のSSLID 機能出力を表示するようにプロビジョニングされています。



仮想ボリューム コンポーネントの概要

仮想ボリュームは、5 つの主なコンポーネント、つまり VVOL デバイス、プロトコル エンドポイント、ストレージ コンテナ、VASA プロバイダ、およびアレイで構成されており、これらすべてのコンポーネントは、Virtual Center(VASA、SPBM)、ESXi(Hostd、VVOLD、VVOL FDS ドライバ)などの vSphere スタックの異なるコンポーネントで管理/使用/処理され、環境と構成の全体像をとらえることが必要になります。

仮想ボリューム (VVol) の特性:
    • ファイル システムがありません
    • ESX は VASA (vSphere APIs for Storage Awareness) API を介してアレイを管理します
    • アレイは論理的に、ストレージ コンテナと呼ばれるコンテナにパーティション化されています
    • 仮想マシン ディスクは仮想ボリュームと呼ばれ、ストレージ コンテナにネイティブで格納されます
    • ESXi ホストからストレージ アレイへの IO は、プロトコル エンドポイント (PE) と呼ばれるアクセス ポイントを通して対応されます
    • データ サービスは、アレイスナップショット、レプリケーション、暗号化にオフロードされます
    • ストレージ ポリシーベース管理 (SPBM) フレームワークを通して管理されます
VASA (vSphere API for Storage Awareness) API (VP)

仮想ボリューム ストレージ プロバイダ(また VASA プロバイダとも呼ばれる)は、vSphere のストレージ認識サービスとして動作するソフトウェア コンポーネントです。プロバイダは、一方の側を vCenter Server ホストと ESXi ホスト、もう一方の側をストレージ システムとする、アウトオブバンド通信を仲介します。詳細については、「vSphere Storage APIs - Storage Awareness FAQ (2004098)」を参照してください。
    • ストレージ アレイ ベンダーによって開発されたソフトウェア コンポーネント
    • ESX および vCenter Server は VASA プロバイダに接続します
    • ストレージ認識サービスを提供します
    • 単一の VASA プロバイダは複数のアレイを管理できます
    • ESXi ホストによってエクスポートされる VASA API をサポートします
    • VASA プロバイダは、アレイの管理サーバまたはファームウェア内に実装できます
    • 仮想ボリュームの作成を担当します
ストレージ コンテナ (SC)

従来の LUN や NFS ベースの vSphere ストレージとは異なり、仮想ボリューム機能は、ストレージ側に事前構成されたボリュームを必要としません。その代わりに、仮想ボリュームは、Raw ストレージ機能のプール、またはストレージ システムが仮想ボリュームに提供できるストレージ キャパシティの集約であるストレージ コンテナを使用します。
    • 仮想ボリュームのグループ化のための論理ストレージ構造
    • ストレージの多様なニーズや要件で論理的にパーティション化、または仮想マシンを隔離します
    • 単一のストレージ コンテナは複数のプロトコル エンドポイントから同時にアクセスできます
    • 必要な機能がストレージ コンテナに適用されています
    • VASA プロバイダはストレージ コンテナを検出して vCenter Server に報告します
    • 作成された新しい仮想マシンは、続いてストレージ コンテナにプロビジョニングされます
プロトコル エンドポイント (PE)

ストレージ システムは仮想ボリュームのあらゆる側面を管理しますが、ESXi ホストはストレージ側の仮想ボリュームに直接アクセスすることができません。ESXi ホストは、代わりに、プロトコル エンドポイント (PE) と呼ばれる論理 I/O プロキシを使用して、仮想ボリュームおよび仮想ボリュームによってカプセル化された仮想ディスク ファイルと通信します。ESXi は、プロトコル エンドポイント (PE) を使用して、オンデマンドで、仮想マシンから各仮想ボリュームへのデータ パスを確立します。
    • ストレージ自体からアクセス ポイントを分離します
    • より少ないアクセス ポイントしか持つことができません
    • 既存のマルチパス ポリシーおよび NFS トポロジ要件は PE に適用できます
    • ESXi ホストとストレージ アレイ システム間の通信を確立するアクセス ポイント
    • 次のすべての SAN および NAS プロトコルと互換性があります:iSCSI、NFS v3、FC、FCoE
    • プロトコル エンドポイントは、特定の時点でこれらのうちいずれか 1 つのプロトコルをサポートできます
VVol オブジェクト

仮想データストアは、vCenter Server および vSphere Web Client のストレージ コンテナを表しています。仮想ボリュームは、仮想マシン ファイル、仮想ディスク、およびそれらの派生物をカプセル化したものです。
    • アレイ ストレージ コンテナにネイティブで格納される仮想マシン オブジェクト
    • 認識される仮想ボリュームは 5 種類あります。
      1. Config-VVol - メタデータ
      2. Data-VVol - VMDK
      3. Mem-VVol - スナップショット
      4. Swap-VVol - スワップ ファイル
      5. Other-VVol - ベンダー ソリューション固有

仮想ボリューム使用時のガイドライン

仮想ボリュームの機能は、さまざまなメリットや利点を提供します。仮想ボリュームを使用する場合は、次の特定のガイドラインに従う必要があります。

仮想ボリュームには、次のような特性があります。
    • 仮想ボリュームは、ストレージ ハードウェアへのさまざまな操作のオフロードをサポートしますこれらの操作には、スナップショット、クローン作成、および Storage DRS が含まれます。
    • 仮想ボリュームを使用すると、個々の仮想ディスクのレプリケーション、暗号化、デデュープ、および圧縮などの、高度なストレージ サービスを使用できます。
    • 仮想ボリュームは、vMotion、Storage vMotion、スナップショット、リンク クローン、Flash Read Cache、および DRS などの vSphere 機能をサポートします。
    • ストレージ ベンダーは、ネイティブ スナップショット機能を使用して、vSphere スナップショットのパフォーマンスを向上させることができます。
    • vSphere APIs for Array Integration (VAAI) をサポートするストレージ アレイで仮想ボリュームを使用できます。
    • 仮想ボリュームは、vSphere APIs for Data Protection (VADP) を使用するバックアップ ソフトウェアをサポートします。

仮想ボリュームのガイドラインおよび制限事項

仮想ボリュームを使用する場合は、次のガイドラインに従ってください。
    • 仮想ボリューム環境は vCenter Server を必要とするため、仮想ボリュームをスタンドアロンの ESXi ホストで使用することはできません。
    • 仮想ボリュームは、Raw デバイス マッピング (RDM) をサポートしません。
    • 仮想ボリューム ストレージ コンテナを異なる物理アレイ間に広げることはできません。
    • 仮想データストアを含むホスト プロファイルは、vCenter Server に固有です。このタイプのプロファイルを抽出した後に、それを適用できるのは、参照ホストと同じ vCenter Server で管理されるホストおよびクラスタに対してのみです。
仮想ボリュームの主なメリット:
    • データ サービスがアプリケーション レベルで有効になっている場合の、仮想ボリュームを使用した操作の変換
    • きめ細かなレベルのプロビジョニングを使用した、ストレージ利用の改善
    • ポリシー ベース管理を使用した一般的な管理


Additional Information

詳細については、「VMware Virtual Volumes (VVols) interoperability with other vSphere products and features (2112039)」を参照してください。また、「VMware vSphere Virtual Volumes:Getting Started Guide」も参照してください。Understanding Virtual Volumes (VVols) in VMware vSphere 6.0